物理サーバのプロフェッショナル
プッシュ通知サービス「Funnel Push」のインフラにベアメタルクラウドを採用したポイントとは
株式会社セットアップ
代表者 | CEO 魚田 雅靖 COO 勝野 成基 |
---|---|
事業内容 | スマートデバイス・アプリのプロデュース・企画・提案・制作 マーケティング・販促・集客・広告 |
サービス名 | Funnel Push |
URL | https://www.set-up.co.jp/ |
利用サービス | リンクベアメタルクラウド |
ジャンル | Webサービス |
カテゴリー | 安定稼働、DB最適化 |
一度に大量のプッシュ通知を行うサービスであることからサーバには高いパフォーマンスを求めており、クラウドを採用することに不安を感じていた。
ユーザの反応履歴・行動履歴などのログを収集。情報をリアルタイムに集計表示させるため、データベースにはディスクIOの性能を求めていた。
ベアメタルクラウドの物理サーバによる安定性と高いCPU性能が得られた。また、従来型の専用サーバと異なり、初期費用がなく、低価格で物理サーバが利用できたため、コスト削減にもつながった。
データベースサーバには高性能なXeonE5系の物理サーバを採用し、処理能力を改善。また、データベースの構成を変更して最適化を実現
リンク:まず、株式会社セットアップの概要を教えてください。
勝野氏:セットアップは平成2年に創業し、広告代理事業のほか、スマートフォンアプリの受託開発や独自サービスの提供などを行っています。これまでに、全日本空輸株式会社様や株式会社昭文社様、スルガ銀行株式会社様などが提供するスマートフォンアプリを開発しました。また、モバイル・マーケティングツールとして「Funnel Push」を提供しています。
受託開発したアプリの総数は100を超えますが、それらのプロジェクトの中でプッシュ通知を付けて欲しいという要望を受けることが少なくありませんでした。プッシュ通知の機能を付加することで、単なる情報提供だけでなく、顧客とのコミュニケーションやアプリの利用頻度の向上を図ることが目的です。ただ、側の視点で考えると、必要がないプッシュ通知を受け取るのはストレスになり、最悪の場合はアプリのアンインストールにまでつながってしまいます。こうした状況を改善し、マーケティングのためのツールとしてプッシュ通知を活用できるサービスを提供できないかと考えて開発したのがFunnel Pushです。このサービスには、独自に開発した「Actual Binding」呼ばれる仕組みの開発をしたことで、個人情報を収集することなくユーザごとにデバイスをまとめる事が可能になっており、これによって適切にターゲティングした上でプッシュ通知を送信できるのが特長です。
リンク:そのFunnel Pushでリンクの「ベアメタルクラウド」を利用しているとのことですが、サーバ選定を進める上で意識されたことを教えてください。
勝野氏:私のイメージなのですが、クラウドは非常に使いやすくて便利だというイメージがある一方、ホスティングはちょっと手間がかかるという印象がありました。ただ、Funnel Pushのサーバを考えたとき、本当にクラウドでいいのかという疑問が頭から離れなかったんですね。
その理由として、まずパフォーマンスの懸念がありました。Funnel Pushでは1度に大量のメッセージをプッシュ通知するほか、各デバイスから送られてくる膨大の情報を収集して処理する必要があり、安定したマシンパフォーマンスが得られることが重要でした。パフォーマンスが不安定であれば、場合によっては収集した情報の処理漏れなどが発生する恐れもあるためです。このような背景から仮想サーバを提供するクラウドサービスに不安を感じていたところ、リンクのベアメタルクラウドに出会ったのです。物理サーバでありながらクラウドの手軽さを備えていて、仮想サーバと同じようにサーバの構築やスケーリングができるのは大きな魅力でした。
リンク:ベアメタルクラウドを利用する前に、仮想サーバを提供するクラウドも使われていたのでしょうか。
勝野氏:Funnel Pushの前に提供していたサービスなど、クラウドを使うことは多かったですね。確かにお手軽に使えるメリットはありましたが、同居しているほかのサーバの影響など外的要因でパフォーマンス低下が起こりえる可能性があり、そうした部分で不安を感じていました。
実はFunnel Pushでも、大手クラウドプロバイダーが提供するサービスを検討したことがありました。オートスケールの仕組みが非常に巧みな点にメリットは感じていましたが、パフォーマンス面で不安を拭いきれないことに加え、サービスメニューが複雑で分かりづらいのが難点でした。また、以前ある大手流通業の案件で開発したサービスをオンプレミスで運用した際は、送られてきたサーバを自分たちでセッティングして問題なく動作するかを確認した上でデータセンターに設置したのですが、とにかく大変で同じようなことはしたくなかった。我々のサービスでは、インフラはサービスに直接関係してくる部分ではないので、それを自分たちで対応するのはどうかという思いもありました。
リンク:実際にベアメタルクラウドを利用したときの印象を教えてください。
勝野氏:最初に検証目的でベアメタルクラウドにログインして使ってみたんですね。そのとき、物理サーバはこんなに速いのかとエンジニアが驚いていました。やっぱり仮想サーバと比べると、物理サーバのパフォーマンスはまったく違いました。
リンク:物理サーバをクラウド上で提供するサービスはリンク以外にもありますが、それらのサービスと比較はされたのでしょうか。
勝野氏:他社のサービスは検討しませんでした。リンクの営業の方から伝わってくる、サービスへの取り組み方や考え方が心に刺さり、もうベアメタルを使うのであればリンクにしようと決めていました。
リンク:現状はどのようにベアメタルクラウドを利用されているのでしょうか。
勝野氏:継続してFunnel Pushで利用しているほか、それ以外のプロジェクトでもベアメタルクラウドを採用していて、現在は10台以上の物理サーバを使っています。実際に使っていてすごくいいなと思うのは、物理サーバと仮想サーバを使い分けられる点です。たとえばデータベースサーバにはベアメタルクラウドを使いつつ、Webサーバは仮想サーバで運用するといったことが可能です。また開発時は仮想サーバを使い、本番運用時は物理サーバに移行するといった使い方ができることも大きなメリットだと感じています。こうした使い勝手のよさは、ベアメタルクラウドの大きなポイントではないでしょうか。
現在のところ、ハードウェアトラブルがゼロであることも満足している点です。サポートについても、技術的な話をしっかり理解できる人に対応してもらえることもありがたいと感じています。こうしたサポート面も含めて、リンクのベアメタルクラウドは安心して使うことができるコストパフォーマンスの高いサービスだと感じています。
リンク:本日はありがとうございました。
セットアップ様 構成イメージ